日本の労働報酬が変わらないのは企業の業績も悪いから?

経済

前回の記事で労働報酬に20年間ほとんど変化が無いことを示しました。

労働報酬が変動する要因は何なのか?

企業が業績不振の際にボーナスカットやリストラなどが行われることはよくニュースになりますよね。その逆に業績が好調であれば報酬は上がります。

企業にとっては労働報酬は支出ですから、業績が悪化してる時に報酬(支出)を上げてしまったらさらに経営は悪化してしまいます。労働報酬の変動は企業の収益と連動しているわけです。まあ当たり前のほとんどの人が知っていることですよね。

ということは労働報酬が20年間変わっていないのであれば企業の収益変わっていないということになりますが実際はどうでしょうか?

財務省財務総合政策研究所の発行している法人企業統計調査を基に、2000年から2019年の企業の利益・配当金・内部留保の推移を図1に示しました。

図1 法人企業統計調査より作成

2008年のリーマンショックで大きく落ち込んだ時期はありましたが、経常利益は20年前から上がってきています。特にリーマンショック後の上昇は著しいです。それと同時に内部留保も上昇しています。

利益が上がっているのに報酬は上がらない、内部留保は上昇している。つまり日本の企業は従業員に利益を還元していないということです。

ただ、報酬の決定は雇用者が決めることですから報酬は据え置くという経営方針でもそこに何ら問題はありません。

少し話が変わりますが、社会保障費や消費税率が上がっていることは以前書きました。法人税率はどうでしょうか?

2000年から2013年までが30%、2014年から25.5%、現在は23.2%とずっと下がり続けています。

論点を整理します。

日本の可処分所得は減少傾向

⇒ 減少の要因は労働報酬が変わらないのに税金と社会保険料が上昇しているから

⇒ 労働報酬が変わらないのは企業の収益に変化が無いからだと思っていたが、企業の収益は増加していた。

しかし、他国の可処分所得が上昇しています。

税金と社会保険料が年々減少しているとは考えにくいので、企業の収益上昇とともに労働報酬も上昇していると考えるのが妥当でしょう。

では日本国民の可処分所得を上げるにはどうしたらいいのでしょうか?

1つには労働組合による労使交渉があるでしょう。ただ大企業であれば労働組合もありますが中小企業ではほぼありません。そこで働く従業員の上層部への働きかけ次第というハードルの高いものとなってしまいます。

もう1つは個人への税率を下げる、社会保険料引き下げ、国民への補償などの公金ですね。これも政治次第です。緊縮財政で消費税を上げてそれを社会保障費にあてるとか言ってる政府なので政策が真逆ですから無理ですね。

ということは日本国民の可処分所得がこれから上がる要素が無いということです。

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この現状を変える方法があるのか? 模索していきたいと思います。

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Posted by digipha